目が霞む・霞んで見えにくい
かすみ目の見え方
ひと口に「かすみ目」といっても、その見え方はさまざまです。
- 白っぽい霞が見える
- 視界がぼやける
- ピントを合わせるのに時間がかかる
- ものが二重、三重に見える
- 薄い膜が張ったように見える
- 視界が曇って見える
- 視野が狭くなったように感じる
- 新聞や本の文字が見えづらい
- 色の違いが分かりにくい
- 以前より色がぼやけて淡く見える
- ものや字の輪郭がはっきりしない
- 視力が低下した
- テレビのテロップが表示されている間に読み取れない など
かすみ目を引き起こす疾患・病気
かすみ目の見え方に注意してください
「ときどき目が霞む」、「しばらくするとちゃんと見えるようになる」という場合には、数カ月前、1年前の見え方を思い出してください。少しずつでも悪くなっているようであれば、老眼や近視、白内障が疑われます。もちろん、早期発見のためには、眼科での定期的な検査がもっとも有効です。
急激な目がかすむようになる場合
ある日突然、あるいは短期間のあいだに急激に目がかすむようになった場合には、以下のような病気が疑われます。
緑内障などは、治療の遅れによって失明に至ることもあります。できるだけ早く、当院にご相談ください。
目(視界)がぼやける・欠ける
視界の“ぼやけ方”も人によってそれぞれです。視界の中心がぼやける人もいれば、まわりがぼやける人もいます。また、全体的にぼやけるということもあります。
しっかりと休息・睡眠をとっても改善しない場合や、それ以外にも“視界が欠けている”など症状がある場合には、お早目に当院にご相談ください。
目(視界)がぼやける原因
目がぼやける・欠ける原因としてよく見られるのが、以下のようなものです。ただし、自己判断は禁物です。「これが原因かな?」と思っても、症状が続く場合には、必ず眼科を受診しましょう。
目の疲れ、眼精疲労
眼が乾燥している
コンタクトレンズ
コンタクトレンズは、角膜に蓋をするようにして装用します。特に長時間・長期間コンタクトレンズを装用している方、管理が不適切な方は、コンタクトレンズによって角膜が傷つく可能性が高くなり、視界がぼやけることがあります。
目(視界)がぼやける・欠ける
症状を引き起こす疾患
白内障
光を屈折させて網膜に映し出す「水晶体」という組織が濁る病気です。80歳以上のほぼ全員に見られますが、早い方であれば40代でも発症します。
症状
目のかすみ、明るさがやけに眩しい、物が二重・三重に見えるといった症状を伴います。進行すると、手元の細かな作業や読書など、さまざまな場面で支障をきたすようになります。
原因
加齢が主な原因です。その他、アトピー性皮膚炎、糖尿病、外傷、ステロイドの副作用などもリスク要因になると言われています。
治療
点眼薬による薬物治療、手術による治療があります。手術では、濁った水晶体を取り出し、人工の眼内レンズを挿入します。
おづ眼科クリニックでは、白内障の日帰り手術に対応しております。
緑内障
眼圧の上昇によって視神経が障害され、視野が狭くなるのが緑内障です。現在、国内における中途失明の原因としてもっとも多く、早期発見・早期治療が非常に重要です。
症状
視野に小さな暗点が生じ、次第に大きくなっていきます。進行がとても緩やかであることから、中期まで進行しても気づけないことがあります。最悪の場合には、失明に至ります。
原因
緑内障の原因は、眼圧の上昇です。緑内障は、線維柱帯の目詰まりによる「原発開放隅角緑内障」、隅角の閉塞による「原発閉塞隅角緑内障」、先天的な原因による「先天緑内障」、角膜・網膜の病気や外傷などによる「続発緑内障」などに分類されます。
治療
薬物療法、レーザー治療などが行われます。
レーザー治療の術式は、緑内障のタイプによって適切なものを選択します。
糖尿病網膜症
生活習慣病である糖尿病に合併して起こる網膜症です。初期にはほとんど症状が現れないものの、最悪の場合には失明にいたる、おそろしい病気です。糖尿病の診断を受けた時点で眼科を受診し、網膜症の合併を防ぎましょう。
症状
初期や中期には、ほとんど症状がありません。それ以降になってようやく、視力低下が自覚されるようになります。そして、硝子体出血や網膜剥離を起こした場合には、飛蚊症、視界がぼやけるといった症状が見られます。
原因
糖尿病による血糖値の上昇が根本にあります。網膜の血管が詰まったり破れたりすると、先述したような症状が出現します。
治療
第一に、生活習慣の改善による血糖コントロールを行います。また必要に応じて、レーザーを網膜に照射するレーザー光凝固術を行います。内科の先生との連携も重要です。
加齢黄斑変性
現在、国内の視覚障害者手帳交付の原因疾患において第4位にあるのが「加齢黄斑変性」です。近年患者数は増加傾向にあり、すでに欧米先進国では成人の中途失明の主要原因となっている病気です。脈絡膜からの新生血管を伴う「滲出型加齢黄斑変性」と、網膜の細胞の萎縮を伴う「萎縮性加齢黄斑変性」に分けられます。
症状
見ようとする部分が歪んで見える「変視症」、見ようとする部分が黒くなる「中心暗点」、見ようとする部分が不鮮明になる「コントラスト感度低下」、見ようとする部分がぼやけてしまう「視力低下」といった症状を伴います。
原因
加齢、紫外線、肥満、遺伝、喫煙、食生活の欧米化などが主な原因と言われています。
治療
脈絡膜新生血管を伴う「滲出型加齢黄斑変性」に対しては、抗VEGF薬治療(硝子体内注射)、光線力学的療法、抗血管新生療法による治療が可能です。「萎縮性加齢黄斑変性」については、現在のところ有効な治療法は確立されておりません。
網膜血管閉塞症
網膜静脈閉塞症
目をカメラに例えたときにフィルムの役割を果たす「網膜」の静脈が詰まる病気です。網膜の中心にある静脈が詰まる「網膜中心静脈閉塞症」と、網膜の中心から枝分かれした静脈が詰まる「網膜静脈分枝閉塞症」に分けられます。
症状
網膜の中心部(黄斑部)にむくみが生じ、視力低下、中心暗点、ものの歪みなどの症状を伴います。
動脈の閉塞を合併した場合には、視野欠損、著しい視力低下も見られます。
原因
高血圧、脂質異常症、糖尿病などによる動脈硬化が主要な原因となります。
治療
黄斑部のむくみ、出血に対しては、硝子体注射またはステロイドのテノン囊下注射を行います。
また必要に応じて、網膜光凝固術(レーザー光凝固術)、日帰りでの硝子体手術を実施します。
網膜動脈閉塞症
網膜の動脈が詰まる病気です。こちらも、網膜の中心にある動脈が詰まる「網膜中心動脈閉塞症」と、網膜の中心から枝分かれした動脈が詰まる「網膜動脈分枝閉塞症」に分けられます。発症後、網膜の虚血状態が100分程度持続すると急激な視力低下と視野欠損をきたし、その回復は困難になります。迅速な診断・治療が非常に重要です。
症状
通常片側の眼において、急激な視力低下・視野欠損が生じます。痛みはありません。
一過性の視力低下、視野障害を前兆として自覚している場合もあります。
原因
高血圧、脂質異常症、糖尿病などによる動脈硬化が主要な原因となります。
治療
緊急処置としての眼球マッサージが有効です。その後、入院治療を行います。
入院治療では、血管拡張薬の点滴、星状神経ブロックで血管拡張、高圧酸素療法などが行われます。
網膜剥離
網膜が剥がれてしまった状態です。通常、網膜の裂孔を伴います。
症状
黒い点や線が見える飛蚊症、目の中に光が見える光視症、視野欠損、視力低下などの症状を伴います。
原因
加齢に伴う後部硝子体剥離、強度の近眼などによって網膜裂孔が生じ、そこから網膜剥離へと進行します。
また、頭部・眼への衝撃による網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎、アトピー性皮膚炎から合併した網膜剥離なども見られます。
治療
レーザー光凝固術、網膜復位術、硝子体手術といった治療法から、網膜剥離の進行に応じて選択します。
ドライアイ
涙の量の減少、涙成分の変化によって、目の乾きを感じる状態です。
症状
目の乾き以外にも、目の疲れ、重たい感じ、視界のぼやけ、ゴロゴロとした異物感、充血、目やになど、さまざまな症状が見られます。
原因
加齢、不規則な生活(夜更かし)、降圧剤や精神安定剤の副作用、コンタクトレンズの装用、紫外線など、さまざまな原因が挙げられます。また、空気の乾燥やエアコンの風、パソコンやスマートフォンの長時間使用などもリスク要因となります。
治療
主に点眼液を用いた治療を行います。十分な効果が得られない場合には、涙点を塞ぐ涙点プラグ、キープティアによる治療も検討します。
ぶどう膜炎
日本眼科学会画像 引用
ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜の総称です。眼球内に栄養を届ける役目を担っています。
このぶどう膜で炎症が生じている状態を「ぶどう膜炎」といいます。炎症は、次第に目の中へと拡大していきます。
症状
目の痛み、視界のぼやけ、明るさがやけに眩しい、飛蚊症などの症状が見られます。
原因
サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病などの免疫異常によって起こるケースが目立ちます。また、細菌やウイルスといった病原体への感染も、リスク要因になると言われています。
治療
疾患、細菌・ウイルスなど、原因に応じた治療を行います。
治療後も、再発することが多いため、定期的な検査が必要です。
目の疲れ・眼精疲労
目の酷使、乾燥した環境などによって眼に負担がかかり、疲れや充血などの症状が出現します。
症状
目の痛み、重い感じ、目がショボショボする、視界のぼやけ、充血、明るさがやけに眩しいといった症状が見られます。
また、頭痛や肩こりなどの不定愁訴を引き起こすこともあります。
原因
目の慢性的な酷使、度数の合っていない眼鏡・コンタクトレンズの装用、生活習慣の乱れ、ストレスの他、風邪やインフルエンザ、糖尿病・高血圧などの疾患なども原因となります。
治療
人工涙液の点眼による治療が主となります。また、原因となっている生活習慣・環境の改善も重要です。